VOICE Live From CES に参加してきました(2)

Alexa 関連イベントCES2020, VOICE

(1)からの続き。

How to Talk to Your Customers in a Voice First World(Amazon)

まずは数値で見る Alexa。

  • 10万以上のスキルが公開中
  • 50万以上の開発者がいる
  • 80以上の国で利用されている
  • 14の言語で使われている
  • 数億のデバイスで Alexa が利用できる
  • 毎週数億回ユーザーは Alexa と会話をしている
  • Alexa とのエンゲージメントが直近2年間で4倍近く増えた
  • 9500のブランドから10万以上のスマートホーム製品が作られている

次に時間による利用傾向。

  • AM 9:00 > 天気、交通情報
  • PM12:00 > 音楽、ランチの配達注文
  • PM 3:00 > 宿題の手助け、レシピ検索
  • PM 6:00 > 料理タイマー、音楽

そして本題。どうやってユーザーの直近のゴールを予測して、適切なレスポンスを返すのかと言うお話。

シングルターンだとシンプルなインタラクションだが、ターンが増えるとより複雑さが増し、Alexa とのやり取りは「会話」になる。さらにそれが進んでマルチセッションに渡ると、あいまいさが増してもはや推理になってしまう。(ワンショットが好まれるのは当然のことか)

Alexa 側ではターンを跨いだコンテキストの理解だけでなく、パーソナルなコンテキストの理解、そしてマルチモーダルやデバイスの進化も考慮に入れていく必要がある。

Improving Brand Experience and Loyalty with Voice(POTATO)

心理学を交えた面白そうな発表でしたが、体調が悪くて席を外していたため途中からの参加…泣

Why

一番聞きたかった Why が聞けなかった(泣)

まとめスライドによると、要点は以下の3点。

  • Benefit society
  • Build community
  • Connect emotionally

まずは、感情に作用する。そしてコミュニティを形成し、社会のためになる(貢献する)、という具合ですかね。

What

What should we build?

製品やブランドの設計思想のどこに音声を適用すべきなのか?

ユーザーのニーズを満たし、かつ新しい技術を取り入れる交差点を攻める。

How

Voice as a new interface to your product, requires a change in behavior from your customers.

音声を新しいインタフェースとして製品に取り入れるのならば、旧来のユーザーの行動を変化させる必要がある。では行動を変えるには何が必要なのか?

B = m a p

  • B: Behavior
  • m: Motivation(理由:十分なモチベーション)
  • a: Ability(障壁:行動を阻害する要因)
  • p: Prompts(きっかけ:行動を起こすトリガー)

出典:Fogg Behavior Model

これは日本語ではフォッグ式消費者行動モデルと呼ばれているらしい。(Prompts ではなく Trigger だったが…)

ユーザーの行動が変わるには、行動を起こす理由があり(高く)、障壁が低い状態で、きっかけが訪れる必要がある、という意味。

目的をもった行動デザインをするための大事なものは次の2点。

  • そのブランドが一番最初に思い浮かぶようなブランドであること
  • 音声がベストソリューションとして頻繁に利用されていること

お次は Hooked model(フックモデル)。ユーザー体験は Trigger → Action → Reward → Investment の4つのプロセスで構成されているというもの。

感情をトリガーとして行動が発生する。(そして行動は簡単にできるものである必要がある)そして行動した結果得るリワードはパーソナライズされた反応であることが望ましい。そして、ユーザーが情報提供などの投資を行うことで、システム・サービス側はユーザーに関する理解をより深める。

The CMO's Sonic Brand Imperative for 2020

昨今の競争社会において、ユーザーにブランドを気に入ってもらうためには、感情を揺さぶるような経験を与えることが大事。

そのため、ブランドが繁栄するためには、感覚の調和がキーとなる。ロゴやグラフィックスと同様に、説得力のあるサウンドブランドの個性を作るためには重要になっている。

つまり、Sonic Branding(他に Sound Branding、Audio Identity、Acoustic Identity とも呼ばれる)が大事だよ、というお話。

Sonic Branding に戦略的にクリエイティブに向き合うことで、統一感があり記憶に残りやすいブランドにするだけでなく、他ブランドとの差別化を図ることができる。

ユーザーがボタンを押すなどの何かしらインプットを行ったときに、音でフィードバックすることで安心させることは重要。(カチッとなるスイッチは優秀)逆にエラーなど注意を伝えたいときにも音って重要ですよね。

この Sonic Branding を行った結果、Whirlpool 社の製品が CES INNOVATION AWARDS 2019 を受賞したそうです。

  • KitchenAid Smart Oven+ with Powered Attachments
  • Whirlpool Smart All-In-One Washer & Dryer

6 TIPS for successful results

      Build a cross-functional team of stakeholders.
      Understand your brand and its landscape.
      Understand your customers and their needs.
      Prepare to go broad and then iterate.
      Optimize for constrains of product/envr.
      Develop strategy for future expansion.

what3words

個人的になるほど感が一番強かったセッション。

what3words をご存じでしょうか。位置情報を、緯度経度ではなく、住所ではなく、3つの単語で表現するというサービスを提供している会社です。

3m × 3m の小さい区域を表現できるため、より正確に示すことができる。

なぜこれが必要なのかというと、ナビゲーションでめちゃくちゃ力を発揮します。

例えばこちら。

読めねぇ。

読めねぇ。

こりゃ聞き間違えるわ!

これをまた音声で伝えるとなると、いくら高い認識精度を備えていても技術者泣かせってもんです。ちなみに日本でいうとバス停、駅名っていろんな地域で重複していますよね。同じ名前の名前だと検索がややこしいんですよね…。たまにあるのは、乗り換え検索で「大手町」を入力すると東京都か愛知県か選んでちょって言われるんですよ。

それなら別の方法でその位置を示せばいいではないか、ということです。

車の停車位置も正確に示せますね。

なお、似ている単語は使われないように予め除いているそうです。

また多言語にも対応しています。

ちゃんと日本語もあります。

こんな感じで単語の組み合わせが似てしまうこともあるでしょう。ですがその場合は地域を大きく離していれば、さすがに間違えないでしょう。(ということだと解釈)

ランボルギーニに Alexa が導入されたということもあり、今後より車×音声の時代は進んでいくでしょう。その中でナビゲーションというのは切っても切り離せないと思います。そんな時に what3words が力を発揮してくるのでしょうね。

最後に

ということで、各セッションをざっくりまとめてみました。Google や Amazon 以外のお話もとてもためになりました。今後日本ではどこまで広がっていくのか。文化の違いはあれど、日本にももっと大きな波がやってくると思っています。日本の企業も音にまつわる経験により力を入れていくことを期待!

お土産たくさんもらいました。げへ。

 

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