UXライティングとは

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UXライティングという言葉が日本でもある程度浸透してきました。しかし、その本来の意味とは何なのか。ここで向き合ってみたいと思います。

各所の定義

UXライティングとは、デジタル製品(ウェブサイト、モバイルアプリなど)のインターフェイス全体に表示されるテキストを作成する技術です。

従来の出版の世界と同様、このテキストはコピーと呼ばれますが、UXライティングがコピーライティングと異なるのは、ユーザーを直感的にインターフェイスに誘導することを目的としている点です。

UX writing is the art of crafting the texts that appear throughout the interface of digital products (websites, mobile apps, etc.).

Just as in the world of traditional publishing, this text is referred to as copy. But UX writing differs from copywriting in that it aims to guide the user through the interface in an intuitive manner.

引用:CAREER FOUNDRY

UXライティングとは、人々の文脈、ニーズ、行動に対応する情報を、注意深く考えて書くことです。コピーライティングには、ビジュアルデザインやインタラクションデザインと同じスキルの多くが含まれますが、ライターはピクセルではなく言葉を使って、体験を通してユーザーとコミュニケーションをとります。

UX writing is the practice of writing carefully considered information that addresses people’s contexts, needs, and behaviors. Writing copy involves many of the same skills as visual or interaction design, except writers use words instead of pixels to communicate with users throughout the experience.

引用:Nielsen Norman Group

UXライティングとは、ユーザーが商品・サービスを利用する際により良い体験を得られるよう、必要な情報を分かりやすく伝えるライティング手法です。

UXライティングを行うと、ユーザーはストレスなく操作を続けられるようになるため、結果的にユーザーの行動を後押しすることにつながります。

引用:NIJIBOX BLOG

UXライティングとは、UIデザイン上のボタンやフォーム、エラーメッセージなどに表示される文言に関するライティング技術のことです。デジタルプロダクトデザインにおいて、これらの文言には単に「意味を伝える」と言う役割を超えて、「プロダクトの世界観を作り出し、ユーザー体験を形作る」という重要な役割があります。

引用:unprinted

UXライティングは、ユーザーエクスペリエンス(UX)における言葉、つまりユーザーが目にするタイトルやボタン、ラベル、指示、説明、通知、警告、コントロールなどを作成するプロセスだ。また、ユーザーが次のステップに自信を持って進むために必要な設定情報や最初に取り組む体験、ハウツーなどのコンテンツも、対象として含まれる。
・・・(中略)・・・
言葉は、画面や看板、ポスター、記事などで見ることができ、デバイスやビデオから聞くこともできる。テキストは微細なものだが、非常に価値があるものなのだ。

引用:戦略的UXライティング

見えてきたキーワード

それぞれの定義を見てみましたが、その意味の範囲は定義によってばらつきがありました。

キーワードは、以下の4点でしょうか。

  • 必要な情報をわかりやすく伝える
  • ユーザーの行動を後押しする
  • プロダクト・サービスの世界観を作る
  • より良い体験を与える

より良い体験(≒ポジティブな感情を与える)というのはUXデザインの使命そのものですが、つまり、UXライティングはUXデザインには欠かせないものと言えるでしょう。

なぜならば、言葉なしに体験を作ることは、ほぼないからです。

視覚を使わない体験である「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」ですら、そのタイトルから得られる印象で既に体験を形づくっています。
おそらくそのタイトルを見ずに体験に参加する人は、ほぼいないでしょう。

UXライティングとは

UXライティングを広義で捉えると、4つのキーワードを組み合わせて、以下の一文で表すことができます。

プロダクトやサービスの世界観を作り、ユーザーにより良い体験を与えるために、必要な情報をわかりやすく伝えて、ユーザーの行動を後押しするようなライティング技術

世界観というのは、一種の擬人化のようなものです。

例えば、タメ口で語りかけるのか、はたまた「お嬢様」「ご主人様」などと語りかけるのか、口調を変えるだけで印象は大きく変わりますよね。もちろん口調だけでなく、どんな言葉を使うのか(堅苦しい言葉、外来語、専門用語、などなど)、どんな順序で話すのかといったことも大事な検討要素です。

そういった語り方や表現の軸を決めて、その軸に沿って言葉を考えていくことで、ユーザーとプロダクト、サービスとのコミュニケーションを形作っていきます。

コミュニケーションの良し悪しが、そのまま体験の良し悪しにも繋がっていくので、世界観は体験を作るために重要な要素になると言えますよね。

 

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