Alexa スキルの呼び出し名の上手な付け方
Alexa スキルを作る中でも、呼び出し名の付け方には悩む人も多いのでは?
私は、かなり頭を悩ませました。
しかし、数を重ねることで、「これは無理だろうなぁ」という予想ができるようになったり、それに対する対処法がなんとなく分かってきました。
Contents
認識できないと使ってもらえない
そもそも、呼び出し名がちゃんと認識できないと、困ることがたくさんあります。
審査してもらえない
そりゃそうです。呼び出し名を言っても正しく認識できないのに、審査なんてできません。
使ってもらえない
仮に審査を通ったとしても、ユーザーが有効化して、いざ使おう!となっても、認識できなければ使ってもらえません。
そんな呼び出し名は基本は審査で落ちますが、数回に一度認識されるようなものだと、たまに審査が通ったりします。
呼び出し名の認識が難しい理由
それは、呼び出し名には同義語の設定ができないからです。
スキル内でやり取りする時の言葉は、アレクサが認識できるように同義語を設定できます。
基本は、例えば「アップル」と言っても「りんご」と言っても、同じものだと認識できるようにするために、この機能を使います。ですが、この機能を使うときに、同義語だけでなく同音語も登録したりします。例えば、「意志」と「石」など、完全に音が同じものもあれば、「アップル」と「エップル」など、多少音が異なるものも登録したりします。
コレと同じように呼び出し名でも同義語を設定できればいいのですが、現状設定することはできません。
つまり、音が認識されて、かつ漢字やひらがな、カタカナなどに一意に変換されるものである必要があるのです。
認識しづらい発音とは?
それでは、音がちゃんと認識されて、一意に変換されるにはどうすればいいのか。
私が試した中で、声でテストしてうまく認識されないときを思い起こすと、いくらかパターンが見えてきました。
これから、どんなパターンがあるのか、それにはどう対処すればいいのか、というのを紹介していきます。
「ら行」で始まる
私自身が発音しづらいというのもあるのですが、ら行は聞き違いしやすいもののひとつ。
特に「り」は「でぃ」に聞こえたり、「れ」が「で」に聞こえたり。
対処法:別の言葉に変える
例えば私は、「略称クイズ」という呼び出し名にしようと思っていましたが、なんと「百姓クイズ」と認識されてしまいました。
おそらくこれは「略称」という言葉がマイナーなのと、認識しづらいのとダブルパンチだったと思います。
そこで私は、思い切って「正式名称クイズ」という正反対の言葉に変えることにしました。
「ふぉ」で始まる
「ふぉ」は「ほ」と聞き間違えることが多いもの。
例えば「フォント」という言葉は、その言葉自体は知られているので認識されやすいのでは?と思いますが、「ほんと」(本当)という言葉もあるのです。すると、「フォント」なのか「ほんと」なのか、聞き分けが難しくなってしまいます。
対処法:前に別の単語をつける
私は「フォントクイズ」という呼び出し名を、「日本語フォントクイズ」という呼び出し名に変えました。これによって、正しく認識することができるようになりました。
この理由は推測ですが、(おそらく)文字の繋がりから、「ほんと」ではなく「フォント」と認識されるようになったか、あるいは、前に別の音があることで「ふぉ」が聞き取りやすくなった、ということが考えられます。
同音異義語があるもの
例えば「一日一善」という言葉があります。これをテストしてみると、「一日一膳」と認識されてしまいました。
つまり、漢字が一致しないということ。音が合っていても、漢字が一致しなければ、スキルを起動することはできません。
対処法1:ひらがなにする
「自己分析深掘り君」という名前のスキルがありますが、実はこれの呼び出し名は「自己分析ふかぼりくん」になっています。「深掘り」が「深堀」になってしまったのと、「君」という言葉に連結して認識させるのが難しかったためです。
音が同じであれば、スキル名と呼び出し名の見た目が違っても、あまり違和感はないので、おすすめです。
対処法2:別の言葉に変える
「一日一善」は諦めて、「今日の良い行い」という呼び出し名に変更しました。代わりに、スキルアイコンに「一日一善」と書いておきました(笑)
外来語で始まる
日本のストア向けのスキル開発では、アルファベットを使うことが基本*できません。
それならカタカナで外来語を書けばいいじゃない、と思いますが、難儀なのはアレクサが認識するときにアルファベットに変わってしまうことがあるということ。
例えば、「ターミナル」という言葉をカタカナで書いたスキルを起動しようとした時、「terminal」と変換されてしまいました。
*アルファベットを使うことが出来るのは、略語など、アルファベットを単語ではなく音として読む場合です。例えば、F A Q (エフ・エー・キュー)など。
対処法:後ろに助詞を入れる
「ターミナルコマンド辞典」という呼び出し名を「ターミナルのコマンド辞典」に変更しました。これを入れることで、テスト上はちゃんと認識されるようになりました。(まだ起動がうまく行かない時はありますが・・・)
その他パターンのとき
対処法1:後に続く「起動フレーズ」を変える
アレクサ、◯◯
アレクサ、◯◯をスタート
アレクサ、◯◯を起動
アレクサ、◯◯を開始
アレクサ、◯◯を起動して
アレクサ、◯◯を開始して
このように、呼び出し名の後に続く起動フレーズは色んな種類がありますが、起動フレーズを変えるだけで、呼び出し名がうまく認識される時もありました。
そんな時は、公開時のサンプルフレーズで、うまくいく起動フレーズのみを記載する、というのも手です。
対処法2:後ろの単語を変える
「辞典」を「リスト」に変えたりすると、呼び出し名が通ることもありました。
(確か、「カクテル辞典」が☓で、「カクテルリスト」が◯だった記憶です)
まとめ
基本は、その単語そのものを別の言葉に変えるのが楽です。が、「どうしてもこの単語が使いたいんだ!」という時もありますよね。そういう時は、前や後ろに別の言葉を追加したり、前や後ろの単語を別の単語に変更することで認識しやすくなるかもしれません。
ここで紹介したものは、私が成功した一例ですので、完全なものではないかもしれませんが、参考になれば幸いです。
ちゃんとテストしよう
最後に。
Alexa Developer Console では呼び出し名をコピペで貼り付けたり、タイピングしたりと、テキストでテストできるからと、それだけで審査に出してしまうのは間違いです。
上に書いたように、実際に音で認識されない言葉もあるので、ちゃんと、声でテストをすることが必要です。
ぜひ色々ためして、うまい呼び出し名を探ってみてください!
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