AAJUG「Alexa でゲームをつくる」が期待以上に勉強になった(1)

Alexa 関連イベントゲーム, AAJUG

VUI でゲームを作りたいなら、絶対に参加すべきと言ったこのイベント。

もう本当に楽しみすぎて、ずっとワクワクしていたのですが、これが期待以上に凄かったです!!

スタッフなのに前のめりで普通に聞き入ってしまいました!(笑)

イベント概要

【日時】 2019/05/17(金)
 18:45 OPEN/19:00 START〜21:00 CLOSE
【場所】 MACNICA 品川オフィス
 東京都港区港南1-8-23 Shinagawa HEART 5F

出来たばかりという MACNICA さんのオフィス。会場前のスペースの壁が青くて綺麗だったのが青好きとしては嬉しくてテンション上がりました(笑)

ゲームのレシピ

トップバッターはクラスメソッドの武田信夫さん。

Alexaを使ったゲーム作りをする上で、踏まえておきたい基本前提として、ゲームにおける西洋と東洋の嗜好の違いや、ゲーム機との違いを認識する。さらに、ゲームにおける流れや、メカニズムと呼ばれる遊びの仕組みを事例と共に解説し、プレイヤーに深く入り込んでもらうためには何をするべきかという視点を共有する。

引用:セッション概要(connpass)

概要

テーマ:中毒性のあるゲームの作り方
ターゲット:ゲームの仕組みを、知覚していないけれど感覚的には知っている人
今日のゴール:暗黙知を形式知にする
ゲームの定義:今回は楽しいことを全部ゲームと定義

[概念]文化的嗜好

日本人は高コンテクスト型

つい最近、このツイートを見ました。

日本は「察しろよ」の高コンテクスト文化で、アメリカやドイツは「言わなわからん」低コンテクスト文化

つまり、アメリカで生まれた Alexa は低コンテクストの土壌を持つもの。それを日本人に合わせるためには、高コンテクストにする仕掛けが必要だということ!

ゲームの分類

アメリカ人が低コンテクストで日本人が高コンテクストということは、好むゲームも違うということ。

高コンテクスト(物語)=文章を読ませるゲーム:RPGやアクションなど
低コンテクスト(状況)=文章を読ませないゲーム:思考型パズル、格闘など

日本人はRPGやアクションを好み、欧米系はパズルや格闘を好む傾向が強い。

さらに性別や年齢を組み合わせると、以下のような分類になる。

日本人女性/年配:RPGなど(反射神経不要)
日本人男性/子供:アクションなど(反射神経必要)
欧米系女性/年配:思考系パズル(反射神経不要)
欧米系男性/子供:格闘など(反射神経必要)

ターゲットに合わせたゲームを作るなら、この分類はかなり参考になりますね!

[概念]ハードウェア依存の話

入力装置には接触型と非接触型、出力装置には視覚型と聴覚型があり、この入出力の一連の流れを知覚するのが大事とのこと。

なぜならば、その継ぎ目をなくして、繋がりに必然性をもたせる必要があるから。この一連の流れをハードウェアに期待しすぎるな、というのがメッセージ。

ソフトウェアで継ぎ目をなくすように努力せよ、ということだと理解。

ちなみに Alexa で考えると、非接触型入力装置(マイク)から入って、聴覚型出力装置(音声)に出ていく。画面付き Echo だと、視覚型出力装置(画面)もあります。

[表面]ゲームのメカニズム=本質の話

ゲームは演出本質で構成されている。

本質:楽しみの仕組み
演出:表面をコーティングしている

ガンシューティングゲームは「当てる精度」、ドライビングゲームは「当てない精度」が、ゲームの本質。

面白かったのは、もぐら叩きも音ゲーも、本質は同じということ。

本質は「タイミングに合わせて特定の場所を叩く」ことで、それにアイドルのデコレーションや音楽の演出が加わっていたりする。

自分でスキルを作る時も、そのゲームの本質は何で、演出は何なのかというのをちゃんと言語化しようと思いました。

[表面]爽快感=演出の話

現実をそのまま再現するよりも、頭の中の気持ちよさを再現するために、最適値はどこなのかというのを模索するのが大事というお話でした。

例えば、見栄えの良い大きな建物は、正直に実際のスケールで見せるよりも、少し大きめに見せた方が、ユーザーにとっては爽快感が大きくなる!ということ。

ただし、違和感を与えないように、やりすぎは禁物。

[心理]欲望に忠実に:ゲームの中毒性

Beニーズを満たす仕組みを作ろう

ゲームは欲求を満たしてくれるものである。

マズローの欲求段階の下から、Haveニーズ、Doニーズ、Beニーズがあり、特に一番欲求が強いのはBeニーズなので、これを満たすことができれば、ユーザーは喜んでくれる。

Beニーズ:〜なりたい
Doニーズ:〜したい
Haveニーズ:〜ほしい

目標設定

目標を達成するまでやめない状況を作るためのゲームバランスが重要。

難しすぎると諦めちゃうし、簡単すぎるとつまらない。

マクレランドによると、やる気が一番大きくなるのは、達成率が五分五分だと感じる時らしい。

課金とコンテクスト

アイテム課金やガチャは物語を補完する高コンテクストな課金タイプ、時短アイテムは低コンテクストから高コンテクストに変化させる課金タイプ。

海外では特に、時短アイテムが好まれるらしい。

Beニーズを満たし、かつコンテクストレベルも意識して課金タイプを設定しておくと良さそう。

[実例]具体的な企画例

目標の見せ方

例えば、育成ゲームだと、様々な目標=いろんな育成形態を見せてあげるといい。

昔ポケモンしていた時、イーブイからシャワーズ、サンダース、ブースターのどれに育てようかぁーと考えるだけで楽しかったのを思い出しました。

ポケモンGoは、あと何匹集めればいいという目標が、ゲームから何も説明しなくても分かるので、ユーザーはそれを目指してハマっていく。

褒めるポイント

Beニーズを達成した時に褒めるのが一番効果が高い。

そこを Alexa で褒めてあげればいい。

おまけ

例えば、牛丼を特別なエサとして設定しておくと、運が良ければタイアップできるかも。

まとめ

  • コンテクストのレベルによって、欧米向きか日本向きかが分かれる傾向にある。
  • Alexa は元々は低コンテクスト文化から生まれたので、高コンテクストにする仕掛けが必要
  • 演出と本質のバランスが大事、演出で飾りすぎないように
  • 時には、現実通りではなく、心地よい程度にサイズを変えることもいい
  • Beニーズが生まれるような設定にして、達成できたら褒める
  • 目標は簡単すぎず、難しすぎず
  • Beニーズを満たせる課金タイプを設定するとよさそう

 

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