VOT MEETUP! #10 に参加しました
VOT MEETUP!というイベントに行ってきました。初参加!
キッカケは、登壇されるなべちかさんのツイートを見て。
Contents
VOT MEETUP とは?
音声/チャットボットといったコミュニケーションインターフェースを心から愛する人達が集まり、LTやトークセッション、懇親会などを行っての交流を目的としたMeetupです!
ということで、毎回テーマを変えて開催されているようです。
今回のテーマは、【ビジネス活用】【マネタイズ】!
コミュニケーションデバイスと5年以上つきあってわかったこと
トップバッターは、なべちかさん こと 渡部さん。
「Alexaオーダー席」や、私が大好きなラーメン屋さん「鶏ポタラーメンTHANK」にも導入されている「飲みニケーションロボット」など、色んなことに取り組んでおられるらしい。非常に面白い案件がたくさん…!ここから派生して、色んなお仕事が増えていったそうです。
現場的な話
想像を絶するアナログ
BtoBでやってると、担当の方とのギャップを埋めるのが大変そう。
例えで面白かったのが、担当者が作りたいものは Apple Watch のような高性能なものだけれど、実際現場で対応可能なものは日時計くらいだ、という現実。
「過去のデータ下さい」と言ったら、CSVで連携されるかと思いきや、レシートの束で渡されたそうな。
思ったよりも、現場は「想像を絶するアナログ」だそうです。
お客さん≠使う人
これはほんとあるあるだと、首がもげるほどうなずきたくなる案件。
「こういうのを作ってくれ」と一緒に話をするお客さんと、実際に使う人がイコールではないということ。自分が使わないものについて「こうしてほしい」「ああしてほしい」と言われて、提供してみると実際のユーザーはパートのおばさまだったりして、「私にこんなもの使えるのかしら…」と戸惑ってしまうという話。
いやほんとそうなんだよなぁ…。どこの世界にもあるある現実。
いいプロジェクト
良いプロジェクトになるケースはどのようなケースかというと、担当者が「良い」場合が多いということ。
例えば、実際今はまだビジネス利用できるほどになっていない技術でも、「ビジネス利用できるようになってからじゃ遅いから今からやってくれ」と言ってくれるような人に当たると、いいプロジェクトになるらしい。
逆に理解のない担当だと大変だから、勇気をもってお断りするのも大切だとか。
UI/UX的な話
ハードウェア大事
こんなんと会話したい?怖くない?w
というハナシ。尤もである。
こちらも同じく。「◯◯さん!」とタブレットに言われてもなぁ…。ってなりますよね。タブレットに向かって顔認証することも違和感ですし、会話していても会話してない感が出てしまう。
コンテンツによって、どのハードウェアを選ぶのかというのが大事。めちゃくちゃ分かりやすい。
ユーザーだけじゃなくてアシスタント側のペルソナも大事
ついつい、どんな人向けのスキルだーって話で盛り上がって、使う方のペルソナはきっちり考えられているんだけれど、逆側の喋る方のペルソナって、おざなりになっているよね、と。
生意気なキャラなのか?オタクなのか?バイト見習いなのか?
そんな設定ひとつ決めるだけでも、セリフが変わってくるし、相手に与える印象も変わる。そこに一貫性がないと、人だと思えないよなぁー。
人間の代わりではなく、役割分担
ロボット導入!って言ったら、何でもやらせようとしてしまうけど、そんなわけはない。
人間がやってることが3つあるとしたら、全部ロボットにやらせるんじゃなくて、1つだけやってもらうなど、ロボットと人の「協働」を考えられる人と仕事をしましょう。何でもやろうとして多機能になるほど自爆して失敗しまいますよ…と。
ビジネス活用するために気を付けていること
お次は、WHITE のUXデザイナー、伊東さん。
なんかこちらも、すげー面白い案件がたくさん。
GoogleHome を使ったお化け屋敷や、VIBRO という点字ブロックが音声で道案内をしてくれるようなサービスなど、VUI の新しいユースケースをたくさん創り出しているそうです。
VUIアプリ制作あるある
それって儲かるの?と言われてストップしたり、作ったけど使われないってこと、ありますよね、という話。VUI でビジネスをやるのはまだスキル内課金もありませんでしたし、難しいんだろうなーとは思っていました。
そして、スキルの数は増えてきたけれど、相変わらずカスタムスキルの利用度合いは低いですよね…と、ロボスタさんの記事にも載っていました。
VUI 界には、まだ「こういうのが流行る」というキラーアプリ=正解がないから難しい。キラーユースケースが、音楽やタイマー以外にないのが現状、とのこと。
作ること、作れることに価値は少ない。
何を作ればいいかを考えられることに価値がある。
だから、WHITEでは、社員43人中、エンジニアは2人しかおらず、プランナーやマーケターの方がはるかに多いらしいです。
未来予測の視点
その中でも大切にしているのは、未来予測。
価値観が多様化している未来で事業環境を考えるのは難しいからこそ、今求められているから作ろうじゃなく、未来を見据えて考えて作るのが大事とのこと。
ただ作るだけじゃなくて何を作ればいいかを未来視点で考える。つい顧客だけを見がちだけれど、顧客じゃなくて、未来を見よう。
こんなフレームワークを使っています、という紹介もありました。
音声での操作って、早くて簡単で便利だよね。だけど、それだけじゃない。利便性だけじゃなくコンテンツの楽しさをあげる増幅装置として家電を使えるのでは?ということで作られたのがスマート怪談プロジェクト。
みどりちゃんというキャラクターの音声に合わせて、家電が動いたり、カーテンが開いたりするそうな。
確かに、ただの家電が臨場感を持ったコンテンツを作っている…!!
余談
WHITE さんは、この会話型謎解きゲーム「エスケープルーム」を GoogleHome で提供されているとのこと。
なんやめっちゃ面白そうやないか!
これの注目ポイントは、ログ。
最初は暴言ばかり吐きまくっていたユーザーが、ある瞬間から「詳しく教えて」と言い始めたという衝撃。いきなりやる気になっている!!!
なぜこのような現象が起きたのか、という推測では、そのVUXの設計にヒントがあるのではないかという結論に至った。(これはQ&Aでのお話)
具体的には、ユーザーが関係の無い言葉を話し続けても、何回かするとヒントを言ってあげたり、「箱が気になるなぁ〜」と誘導したりするらしい。しかしただ誘導するだけでなく、ユーザーの発話を「理解している風」に誘導していく、というテクニック。
これは、実際に試して聞いてみる価値がありそうだ!
VUIではよく意図しない言葉に対して「聞き取れませんでした」「すみません分かりませんでした」と言わせているけれど、このゲームではそんな言葉は言わせずに、「助けて」と女の子に言わせるという。つまり、エラー時の対応が鍵ということですね。
だいたい7~8分くらいかかるこのゲーム、その間離脱せず、ずっと女の子と話してくれている。7〜8分って、結構長いよな、と。
こんな風に長いにも関わらずタスク完了率が高いのは、途中で感じた負の感情をその場で吐き出してるうちに解消できるからなのではないか、ということ。
自分だけのAlexaスキルを簡単に作成する
最後は小栁津さん。
Alexa対応の格安SIM!?
小栁津さんの勤める、TOKAIコミュニケーションズでは、Alexa対応の格安SIMを提供しているそうです。
なんと、残量をアレクサで確認できて、リチャージもできるとのこと!
こういうものは、Webインタフェースより断然早くタスクが完了できますね。ちなみに、リチャージでは選択肢を1GBのみの追加購入に絞ることによって、VUIに合うように工夫されているということでした。
クライアント課題ばかりにフォーカスするとうまくいかない
クライアントの課題ばかりにフォーカスしがちだけれど、ターゲット顧客のニーズに合っていないとダメ。VUI と合わせて、この3つが交わるところがビジネスゴールにあってるよね?と、確認しましょう、ということでした。
Alexaブループリント
1~2分で自分だけのスキルが作れる、Alexaブループリントの紹介!
Alexa for business blueprintというのもありますが、日本はまだ、とのこと。なのでビジネス利用ではなく、一般家庭向けであれば使えますよー。
voiceflow というノンコーディングツールもあるので、ブループリントで物足りない人や、コーディングはちょっとという人は使ってみるとよいですよ、と紹介いただきました。
QAタイム
ログを見ていて面白かったこと
Alexaオーダー席の例
インテントの処理が失敗した時も、チャットにログを飛ばしていたらしく、そのログを見ると、何を聞き取れなかったかが分かるそうです。
例えば、「ハイボール」までは聞き取れているが、「何のハイボールか」という種類までは聞き取れていない、というように分かるとのこと。
そのログを見ていて面白いのは、たまに全く注文に失敗していない時があるということ。そんな時は「今日は玄人が来てる!!」と盛り上がるらしい(笑)ちなみに、業界人(スマスピ関連)かな?と思ったらしいですが、自社の人ではなかったらしい。一体誰だったのか…(笑)
なお、発話ログについては、アレクサでは全文を取得することは、プライバシーの問題で不可となっている。
フローと会話について
Voiceflow というノンコーディングでスキルを作れるサービスがあるが、「フロー」は会話っぽくないよね、という話題。
確かに、フローと聞くと、ただ流れる処理のような印象。
ここで大切なのは、最初にシチュエーションを定義すること。
エラー処理について
上手く行かなかった時こそ、技量が問われるという話。
予想外の発話が返ってきた時、どうやって逃げるかが重要。(つまり、エラーをどう処理するか)
GoogleHomeらしい逃げ方や、アレクサらしい逃げ方というのもある。つまり、逃げ方にもキャラがあるということ。
「まだ見習い中なので…」という逃げ方もあるので、キャラを定めるとエラー処理も設計しやすくなりそう。
多言語対応について
多言語対応だと、GoogleHomeに軍配があがる。例えば、日本語で話しかけたら日本語で返ってくるようにして、英語で話しかけたら英語で返ってくるようにすることもできるらしい。(挙動は怪しいらしいが)
アレクサだと、現時点では、スキル内で言語の切替ができない。
Alexa for business について
現時点ではアメリカでしか利用できない。
そして実は、Amazonではなく、AWSの管轄らしい。
適切なソリューションについて
顧客から「VUIで」と言われても、本当に「VUI」が適しているとは限らない。
タブレットやスマホ、ARやVR、様々なソリューションがある中で、どれが一番目的に合っているのかを考えることが大事。その上でVUIが望ましいのであれば、VUIで実現すればいいし、そうでなければ別の手段をとるべき。
「あなたが考える最高の体験を考えて下さい」と問いかけ、それを目指すために、「だから今これをやるんだ」という風に次のステップを決めたほうがいい。
スマートスピーカーも出来ることは限られている。現時点では、スピーカーからアクションをとることができない。だから、スピーカーにとらわれる必要はない。(逆の発想で行くと、声でウェイクできないのであれば、ラズベリーパイにウェイクワードを発話させるなど、ウェイクする仕組みを作るというのも一つの手だ、という話は面白かった)
場合によっては、Webアプリに音声認識を組み込むというソリューションに至ることもある。
プロユーザーについて
プロユーザーとは、実際にいた理想のユーザーというような意味合いでここでは使われていた。
「フィジ彼」という、毎日トレーニングを教えてくれるスキルがあるが、これを毎日使って毎日Twitterにあげてくれている人がいるらしい。
「回想新聞」では、レビューに「この人、サクラ?」と思うほど、ペルソナに合致している人がレビューを書いてくれているらしい。
もともといいコンテンツは、音声UIにしてもいいコンテンツになる。
それはつまり、会話よりも、体験の方が重要ということ。
以上です!長くなりました!(笑)
最後の写真は、Twitterより画像いただきました^^
最新情報をお届けします
Twitter でaoxaをフォローしよう!
Follow @a093_jp