私たちは VUI の発展を妨げているかもしれない
「VUIはトレーニングが不要」。
これは、UX DAYS TOKYO で聞いた話です。
それは、生まれた時からずっと私たちが使っている自然な言葉を使って操作ができるから。だから、操作に悩むことがないし、パソコンが苦手な人や手を使えない人でも使うことが出来る。
これが、VUIが今後より広まって、発展していくだろうと言われている理由のひとつとして挙げられていました。
しかし、これが成立するためには、忘れてはいけないことがある。
それは、開発者の心構えです。
開発者の心構え
VUIのコンテンツを作っているのは、私たち開発者である。それならば私たちは、「ユーザーが自然に会話ができるように設計する」という心構えを忘れてはいけないのではないか?
例えば、ユーザーがちゃんとスキルの機能を理解して「こうしてほしい」とちゃんと言葉にして言ったとしても、サンプル発話や同義語登録が不十分だとそれを拾えない。
例えば、スキルからの説明が不十分で、次に何を言ったら良いか分からなくなる。しまいにゃ、「ごめんなさい分かりませんでした」と言われる始末。
これって本当に自然なの? って、もっとちゃんと考えたほうがいい気がしてきたのです。
VUIとのファーストコンタクト
これらの事例に当てはまる場合、ユーザーは、せっかく踏み込もうとしたVUIの世界から、離脱しかねない。つまり、VUIとのファーストコンタクトを粗悪なものにしてはいけないということ。
例えば初めて行ったお店で、店員さんの対応が悪ければ、二度と行かないってなりますよね。それと同じことだと思うのです。
初対面って大切! 第一印象で決まるって言いますもんね。
もしこの粗悪なファーストコンタクトをたくさんのユーザーに与えてしまうと、それはVUIの発展の妨げになってしまいます。
つまり、自然な会話を設計できていないスキルを大量に世に出してしまうと、VUIの発展の妨げてしまうのではないか?ということです。
100個作った私が言うのもどうかと思いますがw
最近思うのは、「◯◯ならはい、◯◯ならいいえと言って下さい」というアシストって結構多用されているように感じるんですが、これもなんか不自然だと思うんですよね。普通の会話であまりそんなこと言わないよなぁって。(とはいえ、このアシストならちゃんとユーザーも答えられるので、VUIから離脱させてしまうほどのものでは決してない)
スマートスピーカーの普及率
こちらは TechCrunch の記事ですが、スマートスピーカーの普及率について、アメリカでは成人の1/4が持っているのに対し、日本ではまだ4%という結果でした。
そしてここで言われている主な利用機能としては、やはり音楽や天気という、元から備わっている機能が大半でした。
「音楽以外のさらなる機能の拡張や、サードパーティー・アプリケーションの拡大が普及のカギとなる」「サードパーティー・アプリケーションの利用者は一部を除きまだ多くはないが、利用している場合はエンゲージメント形成に役立っていることが伺える」
引用:TechCrunch
やはりここでも言われているのが、「サードパーティー・アプリケーション」の重要性。つまり、開発者がつくるカスタムスキルのことでした。
VUIの発展を妨げないスキル開発をしよう
生まれた時からずっと私たちが使っている自然な言葉を使って操作ができるから。だから、操作に悩むことがないし、パソコンが苦手な人や手を使えない人でも使うことが出来る。
この特性を消さないための開発者の心構えとして、「自然な会話を設計する」ということが必須なのだと思います。
先日行った AWS Summit でたまたまお会いした小栁津さんと、1〜2時間くらい話して盛り上がったのが、今回の話「VUIの発展」についてでした。真剣にVUIを広めたい、発展させたいと思っている方とのお話は本当に熱く、楽しい。
他の方がVUIの未来について、どういう風に思い、感じているのか、色々聞きたいなぁ〜と思う、今日この頃。
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