CX DIVE 2019:新しい移動体験、変わるCX

UX DESIGNMaaS, CXDIVE

CX DIVE 2019 に行ってきました」という記事を書きましたが、今回は具体的なセッションの中身です。

新しい移動体験、変わるCX

岩田 和宏 (JapanTaxi株式会社 取締役 執行役員CTO)
天野 成章 (トヨタ自動車株式会社 未来プロジェクト室 室長代理 兼 イノベーショングループ長)
西村 潤也 (小田急電鉄株式会社 経営戦略部 モビリティ戦略プロジェクトチーム)
日高 洋祐 (株式会社MaaS Tech Japan 代表取締役)

電車、タクシー、車と、あらゆるモビリティサービスを持っている企業さんが参加されています。

登壇者紹介

日高 洋祐 さん

株式会社MaaS Tech Japan の代表取締役。このセッションのモデレータ。

MaaS とは

Mobility as a service(MaaS)とは、運営主体を問わず、情報通信技術を活用することにより自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念。
引用:Wikipedia

色々なモビリティが登場した現代は、「100年に一度の大変革」と言われるモビリティの技術・ビジネスの変革期だそうです。

MaaS Tech Japan の目指すところ

いまや世界中で移動に関するプラットフォームが続々と出現しているらしく、日本でもまだまだ主導権を取れる段階とのこと。

自動運転や、シャトル型モビリティ、レンタサイクル・スクータ(マイクロトランジット)、空飛ぶ車に車椅子の自動運転、そしてこれらに加えて、既存の電車や車など、あらゆる移動手段を、都市の目線で統合して、最適化することを目指しているということでした。

ちなみに、こちらの書籍を書かれた方!(私も持ってます)

MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ

西村 潤也 さん

1日205万人が利用する小田急電鉄。
ですが、実は路線バスの保有台数が日本一、というのは知らないかもしれませんね。

「会いたいときに会いたい人に会いに行ける」

電車以外の交通手段も含めて、一括検索や生活サービス(食事、お土産など)との連携を実現。

さらに人間の歩く力を大切にして、歩く目的に気づかせる。

そんな取り組みを通して「移動する機会」を与えることで、「会いたいときに会いたい人に会いに行ける」を実現しようとしているそうです。

岩田 和宏 さん

JapanTaxi の取締役。

タクシー配車アプリ「JapanTaxi」

タクシー配車アプリを提供したことで、タクシーの配車リクエストの手段が大きく変わったとのこと。5年前は8割が電話だったが、現在は7割がアプリになっている。

連携

Alexa や Clova などのスマートスピーカーとの連携、Concur や マネーフォワードなどの経費精算との連携、そして韓国のカカオモビリティとの連携。

いろんなサービスと連携するきめ細やかな考え方は、日本人ならでは。このきめ細やかさから生まれたサービスは、世界でも通用するのでは?ということだった。

天野 成章 さん

トヨタの未来プロジェクト室でモビリティ関連の企画提案&PRJ化を推進。

移動したくないを減らして、移動したいを増やす

「もっと移動したくなる環境づくりを通じて、すべての人の移動の自由と、ずっとにぎわう街づくりに貢献したい」

そんな思いで、福岡で街の回遊性を向上させる実験を行っていたとのこと。

生活者にとって親近感のあるサービスにしたいということから、ホットペッパーなどではなく、土着のフリーペーパーを作っているところと連携するなど、工夫をしている。

「顧客視点」ではなく、「生活者視点」という言葉を大切にしていると、強くおっしゃっていました。お客様だと、どうしてもトヨタという車に乗っている人になってしまうから。

言葉って大切。言葉を変えることで意識が変わるって、言いますよね。

ローカルの価値をどうやって上げるか?

持続的なサービスにする必要があり、そのためには地域の人に支持される必要がある。

だから、「知っている」というだけではサービスを作ることはできず、ちゃんと「その場所に行ったことがあるか」を大切にしている。

そうやって、街全体の声を聞きながらサービスデザインをしているとのこと。

どんな未来になってほしい?

天野さん:
移動手段を決めるのはユーザー。街によって適切なモビリティがあるので、いろんな状況に合わせられる街づくりをしたい。そんなことを一緒にできるチームジャパンでありたい。

岩田さん:
移動弱者をなくしたい。持続可能なモビリティのモデルをいろんな会社と作り上げたい。
タクシーは地方格差が大きい業界。田舎だったら、タクシー運転者が生活者と一緒に買物をしてあげるなど、移動×生活を軸にサービスがあるべき。

西村さん:
スマホで複数ポイントの最適ルートを探すなど、スマホを通じて会話できるようなサービス提供ができるといい。クーポンや乗り放題チケットなどのお知らせもできるように。

天野さん:
VR や AR が出てきたいま、本当に人がリアルに移動する価値が試されている。

西村さん:
実際に動いて、見て、体験すると何が起こるかというと、その街に愛着が湧く。そこの域までいけると、高いレベルの都市、街づくりができると思う。

今後のモビリティ業界について

岩田さん:
もっといろんな会社とコラボしたい。

天野さん:
移動×「 」は、なんでも可能性がある。
どれだけ便利な世の中になっても、どれだけ効率的になっても、「移動する」という本来欲求が人間にはある。そのボタンを押せるかどうか。
一緒に新しいことをやりたい。

西村さん:
人は足があって足で歩いて生活している。動くことが当たり前。
一緒に共感して世界観を持っていただける人とパートナーになりたい。

 

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