セブンティーンアイスから学ぶユーザー行動

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面白い記事がありました。

かくいう私も、幼少の頃通っていたスイミングスクールで、毎回稽古終わりにアイスを食べるのが楽しみでした。

この記事を読むと、グリコがいかにユーザーのことを考えてこの自販機を設置しているかが分かります。

売る場所がキーポイント

セブンティーンアイスは江崎グリコが製造するワンハンドアイス。その名の通り17歳の学生をターゲットにしているというが、おじさん世代にも大人気だという。

引用:デイリーポータルZ

元は酒屋や駄菓子屋で自販機ではなくアイスケースで売られていたというセブンティーンアイス。

2年間そこで売り続けたが一向に売り上げが伸びないため、売る場所を変えたということでした。

つまり子供だけでなく、高校生や大人になっても楽しめるような“おしゃれで今時なアイス”というコンセプトがあったので、そういう方々が出かけていく場所で売ればいいんじゃないかと考えました。

引用:デイリーポータルZ

時代に合わせて、ボウリングブームの時はボウリング場に、レンタルビデオ全盛期にはレンタルビデオ店舗に、学生や大人が集まる様々な場所に設置することで、バカ売れしたとのこと。

ショッピングセンターでは、「1回は必ず子どもをトイレに連れて行く」という行動を見据えて、トイレの近くに自販機を置く、といった場所の決め方もしているそうです。

ターゲットユーザーの行動を考えて、売る場所を変えるだけでこんなにも大きな差が生まれるのですね。

場所によるコンテンツの出し分け

単に場所だけでなく、場所によるコンテンツの出し分けも非常に有効です。

場所によっては同じ季節でも寒い場所もあれば暖かい場所もあるため、寒い場所にはシャーベット系はないけれども、暖かい場所なら冬でもシャーベット系が売られていたり、そんな出し分けもできるとのこと。

温浴施設では、ご高齢の方が多いためモナカがよく売れる、という話も。さらに観光地だとハレの気持ちを満たすために高額商品のラインナップをあえて揃えるというのも面白い戦略でした。

温浴施設はご高齢のお客様が多いので、その年代の方々が好まれるモナカがよく売れます。喉の渇きは水でいいみたいですね。

引用:デイリーポータルZ

あとは観光地など非日常の場所になると、いわゆる定番ものはあまりウケないんですよ。せっかくならいいアイスを食べたいという心理が働くのか、少し価格が高い(200円)のスペシャルセレクションが好まれます。ですから観光地などではお客様の“ハレの気持ち”を満たすことができる高額商品のラインナップをあえて揃えたりもします。

引用:デイリーポータルZ

どこにでもないからこそ生まれるストーリー

セブンティーンアイスは、特にストーリー性の高いアイスなのでは、と思います。

私はセブンティーンアイスを見るだけで、スイミングスクールの頃を思い出すのですが、他の方に話を聞いても、そういったエピソードがよく出てきました。

つまり、「どこにでもあるわけではない」というちょっとした希少性がその価値を生み出しているのではないかと思うのです。スーパーで買えるわけではなく、特定の場所に行かないと買えないから、そういった特定の場所で行った体験と紐づいて、「◯◯の帰りにセブンティーンアイス」や「◯◯を頑張ったご褒美にセブンティーンアイス」というストーリーが頭の中に構築されるのです。

だからふと見つけた時に話題になって、「あの時食べたんだよね〜」「あぁ私はこういう時に食べてた〜」という会話が生まれたり、もしかしたら世代を超えて、次は娘や息子の思い出にもなるかもしれません。

どこでも買えるアイスだと、なかなかこんなストーリーは生まれにくいでしょうね。

置き場所や中身を変えることもUXデザイン

このお話では、プロダクトやサービスを「作る」よりも、「場所」や「組み合わせ」を変えることで、ユーザー行動に合わせた売り方をしていました。

つまりUXデザインは、必ずしも新しい何かを作らなければいけないわけではないのです。

もちろん新商品を作ることはあると思いますが、それも場所や組み合わせがあってこそのものです。

このお話を参考に、今あるプロダクトやサービスについて、売り方を考えてみてはいかがでしょうか?

 

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